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MDR-NC500D(SONY驚異の技術力!!) [ヘッドフォン/Bluetoothヘッドセット]

この製品は、2008年に発売された世界初のデジタル方式ノイズキャンセリングヘッドホンです。

MDR-NC500D.jpg

ノイズキャンセリングヘッドホンの仕組みは、大きく分けて2つ有るのですが、この製品はイヤハウジング内の騒音をヘッドホン内蔵のマイクで収録、その逆位相成分をスピーカーから出力する『フィードバック方式』という方式を採用しています。

この製品の凄さは、ノイズキャンセリング機能に加え、その音質の良さです。

それまでのアナログ方式のノイズキャンセリングヘッドホンは、ノイズキャンセリング機能がイマイチな上、兎に角音質が悪い製品が殆どでした。

音質が犠牲になる最大の理由は、ハイファイ用のドライバユニットとノイズキャンセリング特性を高めるドライバユニットの特性の違いです。

飛行機の騒音など、100dB~120dB程度の音圧があり、低域成分が多い騒音をキャンセルしようとすると、音楽信号ではありえない大振幅をキャンセルする為、一般的な音楽用ドライバよりも低域感度の高いドライバユニットが必要になります。

この為、ノイズキャンセリングは低域補正のイコライザ回路を内蔵させていますが、特性をフラットにする為に、数種類のアナログのフィルタを組み合わせる事になるのですが、その結果ホワイトノイズが多く出てしまいます。回路規模も大きくなり、消費電力も増加するというデメリットも有りますし、何より位相特性が悪くなることも避けることはできません。

ところが、ノイズフィルタをデジタル化する事により、特性に合わせたフィルタをプログラムする事で、位相特性に大きな影響を与えずにフラットな周波数特性を実現出来る様になるのです。それにより、ノイズキャンセリングに有利なドライバユニットが利用出来る様になったという訳です。

MDR-NC500D_3.jpg
↑ノイズキャンセリングのシステム

但し、ノイズキャンセリング機能のデジタル化は非常に困難とされていました。その最大の理由はデジタル処理による遅延です。

アナログ回路とは異なり、デジタル回路はサンプリング、演算処理が必要となる為、信号の遅延が大きくなります。遅延が大きくなると、ドライバユニットからノイズと逆位相の信号を再生しても、ノイズ波形との位相差が大きくなり充分なキャンセリング効果を得られなくなります。

しかし、この製品ではデジタル処理のアルゴリズムを見直して、徹底的に遅延を短くし、更ににイヤーハウジング内のノイズサンプリング用マイクの位置を可能な限り耳道に近い位置に置く事で、アナログフィルタ並の特性が出せる様になっています。

ワタシも発売当時、興味本位で店頭においてある製品を試聴してみました。確かにそれ以前のノイズキャンセリングより圧倒的に静穏性が高く、音質の良さ(あくまでノイズキャンセリングヘッドホンとして。ハイファイヘッドホンには遠く及ばないです)に驚いたものです。

惜しむべくは、バッテリーの持続時間で、内臓バッテリーで連続15時間しか使用できない事です。高速なLSIを内蔵する事で消費電力が相当上がっている為、致し方ないとは思いますが、2日にいっぺん、場合によっては毎日充電しなくてはならないのは、ちょっと面倒かもしれません。バッテリの持続時間は、後継機の"MDR-NC600D"でも改善されていない為、相当難しいのかもしれませんね。

↓ハードウェア仕様
型番:MDR-NC500D
重量:約195g
型式:密閉ダイナミック型
ドライバユニット:口径40mm(CCAWボイスコイル採用)
感度:102dB/mW
再生周波数帯域:5~24,000Hz
総騒音抑制量:約20dB
インピーダンス:40Ω
最大入力:100mW
電源:内蔵リチウムイオン充電池/単3形乾電池×2
入力プラグ:金メッキステレオミニプラグ (コード長約0.5m)/金メッキL型ステレオミニプラグ (コード長約1.5m)




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