SONY、Crystal LED Display技術ベースのディスプレイ「CLEDIS」発売

SONYは、微細なLED素子を光源とする独自開発の高画質ディスプレイ技術「CLEDIS」を用いた新方式ディスプレイシステムを2017年1～3月に発売すると発表しました。



ディスプレイユニット『ZRD-1』とコントローラ『ZRCT-100』から構成されていて、価格はオープンプライス。

トータル価格は設置事例によって異なります。

CLEDISは、2012年に開発発表を行ない、CESにも出展した55型フルHDの「Crystal LED Display」の技術をベースに開発したディスプレイシステムとなります。

画面表面にRGBの微細なLED素子を配置した画素を、画素毎に駆動させる自発光のディスプレイ方式を採用。光源サイズが0.003平方mmと微細な為、画面表面の黒点が占める割合を99%以上に高められ、素子の広配光性能などと組み合わせる事で、高コントラスト、広視野角、広色域の映像表現を可能としています。

また、独自の画素駆動回路により、動画応答性能にも優れており、最大120fpsのフレームレートで表示できるとの事です。

広大なキャンバスに画を描く様に映像を表現できるというスケーラブルなディスプレイシステムで、320×360pixの画素を持つディスプレイユニット『ZRD-1』を、表示したいコンテンツなどに応じて組み合わせる事で、サイズや解像度が決まります。4K/2Kの場合、72枚の『ZRD-1』用いて220インチを実現出来ます。


↑ZRD-1

1ユニットの『ZRD-1』の外形寸法は403×453mm、輝度は最大1,000cd/m2（1,000nits）、視野角はほぼ180度、コントラストは100万:1以上、表示可能色域はsRGB比約140%、フレームレートは最大120fps以上となっています。

4K/2Kを実現する為には72枚の『ZRD-1』を組み合わせて、その際のインチサイズは220型で、横幅が4.8m、縦が2.7m。8K/2Kの場合は、ユニット144個で400インチを実現。横9.7m、縦2.7mとなります。フルHDでは18枚利用し、横2.4m、縦1.35m。


↑複数の『ZRD-1』を組み合わせて大画面化が可能

高精度な組み立て・補正技術を適用する事で、あたかも単一パネルのような目地の無い大画面を実現できるとしています。

コントローラ『ZRCT-100』は72台までのZRD-1を制御可能。8K/2Kの場合、2台の『ZRCT-100』を利用する形となります。『ZRCT-100』の入力端子はDisplay Port×2、DVI-D(Single Link)×4。外形寸法は440×349×65（幅ｘ奥行きｘ高さ）mm。


↑ZRCT-100

豊かな色調や滑らかな動画像の再現など、既存のディスプレイでは表現しきれない映像体験が実現可能で、医療等の研究機関や博物館、管制室など精緻な映像表現が求められる用途や、工業デザインや建築デザイン等、よりリアルな映像でのシミュレーションが必要とされる用途に提案していくとしています。

尚、CLEDISは6月8日に米国ラスベガスで開催される「InfoComm 2016」で初披露。8K/2KのCLEDISをアピールする予定との事です。

Crystal LED Displayの55型フルHD試作機が発表された際は、LED光源のディスプレイは高価ですし、デジタルサイネージや空港等の案内モニター用かとも思っていましたが、単に液晶ディスプレイの置き換えでは無く、組み合わせによってアスペクトや解像度がフレキシブルに変更出来るという面白いシステムのディスプレイとしての発売でした。

デジタルサイネージ用のディスプレイは縦長だったり、必ずしも16：9では無かったりするんで、この様なシステムの需要は高いでしょうね。また、8Kパネルはまだまだ製品が少ないですし、有ってもかなり高価なので、組み合わせで高解像度化出来るシステムというのは良いアイディアだと思います。

コントロールユニットの処理速度を向上させれば、8K以上のディスプレイを扱う事も出来そうですし、将来性が有る技術だと思います。

■プレスリリース
極めて微細なLEDを用いた独自開発の高画質ディスプレイ技術CLEDISを採用
感動の高画質と大画面を実現するスケーラブルな新方式ディスプレイシステム発売
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201605/16-053/index.html