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SONY、ディープラーニング用コアライブラリ「Neural Network Libraries」をオープンソース化 [企業向け製品/医療用機器]

SONYは、ディープラーニング(深層学習)のプログラムを生成する際のフレームワークとなる「コアライブラリ:Neural Network Libraries」をオープンソース化したと発表しました。

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同ライブラリを利用するっ事で、プログラマやデザイナーは、AIを実現できるディープラーニングのプログラムを開発し、各種製品やサービスに搭載できるとしています。

ディープラーニングは、人間の脳を模倣したニューラルネットワークを用いた機械学習の一手法となります。

従来型の機械学習に置き換えて使用し、画像認識や音声認識の性能が近年飛躍的に向上、ある領域では人間を超える性能も達成しており、画像認識や音声認識に加え、機械翻訳や信号処理、ロボット制御等広範囲な対象に応用されています。

ディープラーニングのプログラム開発において、開発者は画像認識や音声認識などに応じて最適なニューラルネットワークを構築。性能向上へ試行錯誤を繰り返し、ニューラルネットワークを最適化した後、製品・サービスに搭載します。

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今回公開する「コアライブラリ」は、一連の開発工程を効率的に実現するソフトウェア(演算モジュール群)。コアは、C++11で記述されており、LinuxやWindows等の多くのプラットフォームで動作。開発環境のプログラミング言語は、ディープラーニング開発で主流のPythonを利用可能。NVIDAのGPUを用いて最速クラスのスピードで実行出来るとしています。

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↑高速化も特徴の一つ

公開されるコアライブラリは、基本となるアルゴリズムのみで、映像信号処理への応用や画像のセンシング、データ解析、オーディオ信号処理等の要素技術への応用は含まれておらず、これらは同技術を利用する各社やユーザーが開発する必要があります。

このコアライブラリは、すでにXperiaシリーズのSmartARを用いたカメラアプリARエフェクトや、行動認識技術を応用したLifelogアプリ、不動産売買の成約価格を高精度に推定する不動産価格推定エンジンなどのSONY製品で採用されていますが、オープンソース化により、他の開発者にも開放。ライセンスはApache 2.0となります。

既に採用されている「Neural Network Libraries」をオープンソース化する事で、利用者拡大とオープンソースコミュニティへの貢献を目指すとしています。

一方で、ディープラーニング向けの開発環境は、既に各社が展開しています。Googleの「TensorFlow」、Berkeley AI Researchの「Caffe」、Microsoftの「CNTK」、Facebookらによる「Caffe2」、日本のPreferred Networksの「Chainer」等が、多くの開発者を獲得しています。

それぞれに特徴があるものの、SONYのコアライブラリは後発がゆえに洗練され、「優等席的なものになっている」との事。開発の中心メンバーであるSONY RDSプラットフォーム システム研究開発本部 応用技術開発部門 知的システム技術開発部 6課の成平拓也氏は、「ダイナミック(動的)ニューラルネットワークによる推論・学習のサポート」、「動作の軽さ」、「モバイル実装のやりやすさ」などが強みとしています。

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↑モバイル実装に強み

一方で、後発の為、開発者などの「コミュニティの部分は劣っている」としており、今後はドキュメントの充実に加え、開発者コミュニティ内での発信を強化していく方針との事。

SONY社内では定期的に勉強会等を開催しており、すでに800名が参加し、社内でのノウハウを蓄積しています。今回のオープンソース化は、「AI環境整備の一環」としており、今後より多くの製品やサービスで人工知能の搭載と、利便性の向上が期待される中で、より幅広い開発者、研究者の利用によるプログラムの進化を期待。また、社会の発展へ貢献して行く事を目指すとしています。

コアライブラリ参入が後発だからこそ優れたものになっていますが、後発が故に利用者も少なく、同一環境を利用するプログラマが少ないと、同一プラットフォームのAI環境が構築出来ないですから、SONYにとっても社外にも利用者を拡充したいんでしょうね。

しかも、アルゴリズムのみの提供で、その先に必要な画像処理等SONYの技術根幹は提供しないんでSONYとしてはデメリットが無いですし…。

■プレスリリース
人工知能(AI)を実現するディープラーニング(深層学習)の
プログラムを生成できる「コアライブラリ」をオープンソース化
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201706/17-065/index.html




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