SONY、視覚的にディープラーニング設計・評価ができる開発環境「Neural Network Console」をリリース [企業向け製品/医療用機器]
SONYは、ディープラーニングのプログラムを生成できる統合開発環境「Neural Network Console」の無償提供を開始しました。
対応OSはWindows 8.1/10で、SONYのディープラーニング用ライブラリとともに、IoTデバイス等での採用拡大を目指すとしています。
ディープラーニングは、人間の脳を模倣したニューラルネットワークを用いた機械学習の一手法。
ディープラーニングにより、画像認識や音声認識の性能が近年飛躍的に向上しており、ある領域では人間を超える性能も達成しており、画像認識や音声認識に加え、機械翻訳やロボット制御など広範囲での拡大が見込まれています。
今回、本格的なGUIを持つディープラーニング統合開発環境であるコンソールソフトウェアを開発。これを用いる事で、ニューラルネットワークの設計、学習、評価などを効率的に行ないながら、ディープラーニングのプログラム開発や、各種製品やサービスへの搭載が可能となります。
SONYは6月にディープラーニング開発の為のコアライブラリ「Neural Network Libraries」をオープンソース化。このコアライブラリをGUIで操作できるのがコンソールソフトウェアとなります。
同ツールで用いて開発した製品は、SONY以外のメーカーや一般の開発者も自由に利用可能で、SONYでは特にIoTデバイスや組み込み機器等での採用を見込んでおり、「産業界でのディープラーニング関連開発のさらなる活性化と発展を目指す」としています。
ディープラーニング向けの開発環境は、Googleの「TensorFlow」、Berkeley AI Researchの「Caffe」、Microsoftの「CNTK」、Facebookらによる「Caffe2」、Preferred Networksの「Chainer」などすでに多くの選択肢が有りますが、SONYも6月にコアライブラリ「Neural Network Libraries」をオープンソース化しています。
これまでのツールは、プログラムを記述するコーディングが必須でしたが、Neural Network Consoleは「現時点で唯一のディープラーニングのGUIツール」(ソニー R&Dプラットフォーム システム研究開発部門 AIコア技術開発部 シニアマシーンラーニングリサーチャーの小林由幸氏)との事。尚、同コンソールのMac版の提供は、現時点では予定していません。
ディープラーニングのプログラム開発では、ニューラルネットワークの設計作業が重要となります。開発者は画像認識や音声認識等に応じて最適なニューラルネットワークを構築し、性能向上へ試行錯誤を繰り返し、ニューラルネットワークを最適化した後、製品・サービスに搭載します。
一般的なディープラーニングのプログラム生成においては、ニューラルネットワークの構造を、プログラムのコードを記述し、その関数ブロックを組み合わせる事で構築しています。
一方、新開発のコンソールソフトウェアでは、この関数ブロックの概念を簡便な形でGUI上に表現可能。コンソールソフトウェアの画面上には、コンポーネントの形であらかじめレイヤー(関数ブロック)が用意されており、それらをGUI上に自由に配置するという簡単な操作でニューラルネットワークを構築できる為、プログラム開発効率を大幅に改善できるとしています。
ディープラーニングで用いられる主要な関数を用意し、構造を視覚で確認しながら設計、学習、評価可能。ドラッグ&ドロップでニューラルネットワークの編集が行なえる為、アイデアを反映しながら試行錯誤を繰り返し、最適なニューラルネットワーク構築を試せるとしています。
特にディープラーニングの初心者にとっては、コアライブラリの機能を視覚的に確認できる為、短期間で技能の習得が可能となります。
ネットワーク設計の完了後は、ボタン一つで高速な学習を開始。また、学習の進捗状況や性能は画面上でリアルタイムに確認でき、学習した何十種類ものニューラルネットワークを履歴として一覧出来ます。
↑学習した何十種類ものニューラルネットワークを履歴として一覧可能
前述の通り、既に有力なディープラーニング向けの開発環境は存在しますが、その中でもSONYが特徴とするのが、IoTデバイスなどへの組み込み等のモバイル実装の容易さや、「構造自動探索機能」と呼ばれるニューラルネットワークの最適化機能。また、速度面についてもアドバンテージがあるとしています。
「構造自動探索機能」は、ニューラルネットワークの設計を自動で最適化するもの。より高性能で軽量なニューラルネットワークを検索するチューニング作業を、ツール側で自動化してくれます。自動で得られた複数の最適化結果から、ニーズに応じたニューラルネットワークを選択可能。
数十回の学習成果を一覧で表示し、「一定のメモリ環境下で一定のエラーレート以下」という条件で、もっとも効率の良い構成をコンソール上で確認でき、その設定をIoTデバイスなどの組込機器で利用kできます。
↑誤差が少なく、処理回数が少ないネットワーク構成を一覧から選択できる
Neural Network Libraries/Consoleは、Python言語により、設計・学習・実行ロジックを記述しますが、学習したモデルは、C++APIを通じて様々なデバイスに実装でき、スマホやIoTデバイス、ロボット、自動運転など様々な製品への応用が可能としています。
既存のディープラーニング開発環境では、マルチGPUでクラウドベースの処理を行なうものもありますが、ポータビリティ(移植の容易さ)の高さを武器に、IoTデバイスでの採用を目指すとしています。
開発環境の提供が直接収益に結び付くわけでは有りませんが、SONYでは、「AI環境整備の一環」として実施。SONY製品はもちろん、他社製品やサービスでの対応拡大の為、セミナーやドキュメントの提供なども予定しているとしています。
SONYはディープラーニング向け開発環境では後発の分、こうした初心者にもとっつきやすい環境を提供しているんでしょうけど、熟練のプログラマーの場合コーディングした方が自由度が高いですし、思考がコーディング中心になっている為、やりやすいでしょうね。
ディープラーニング開発の基礎やロジックの理解には有効かもしれませんけど…。
■プレスリリース
人工知能(AI)を実現するディープラーニング(深層学習)の
統合開発環境Neural Network Consoleを公開
ニューラルネットワーク構造の視覚化で効率的なプログラム生成を実現
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201708/17-073/index.html
対応OSはWindows 8.1/10で、SONYのディープラーニング用ライブラリとともに、IoTデバイス等での採用拡大を目指すとしています。
ディープラーニングは、人間の脳を模倣したニューラルネットワークを用いた機械学習の一手法。
ディープラーニングにより、画像認識や音声認識の性能が近年飛躍的に向上しており、ある領域では人間を超える性能も達成しており、画像認識や音声認識に加え、機械翻訳やロボット制御など広範囲での拡大が見込まれています。
今回、本格的なGUIを持つディープラーニング統合開発環境であるコンソールソフトウェアを開発。これを用いる事で、ニューラルネットワークの設計、学習、評価などを効率的に行ないながら、ディープラーニングのプログラム開発や、各種製品やサービスへの搭載が可能となります。
SONYは6月にディープラーニング開発の為のコアライブラリ「Neural Network Libraries」をオープンソース化。このコアライブラリをGUIで操作できるのがコンソールソフトウェアとなります。
同ツールで用いて開発した製品は、SONY以外のメーカーや一般の開発者も自由に利用可能で、SONYでは特にIoTデバイスや組み込み機器等での採用を見込んでおり、「産業界でのディープラーニング関連開発のさらなる活性化と発展を目指す」としています。
ディープラーニング向けの開発環境は、Googleの「TensorFlow」、Berkeley AI Researchの「Caffe」、Microsoftの「CNTK」、Facebookらによる「Caffe2」、Preferred Networksの「Chainer」などすでに多くの選択肢が有りますが、SONYも6月にコアライブラリ「Neural Network Libraries」をオープンソース化しています。
これまでのツールは、プログラムを記述するコーディングが必須でしたが、Neural Network Consoleは「現時点で唯一のディープラーニングのGUIツール」(ソニー R&Dプラットフォーム システム研究開発部門 AIコア技術開発部 シニアマシーンラーニングリサーチャーの小林由幸氏)との事。尚、同コンソールのMac版の提供は、現時点では予定していません。
ディープラーニングのプログラム開発では、ニューラルネットワークの設計作業が重要となります。開発者は画像認識や音声認識等に応じて最適なニューラルネットワークを構築し、性能向上へ試行錯誤を繰り返し、ニューラルネットワークを最適化した後、製品・サービスに搭載します。
一般的なディープラーニングのプログラム生成においては、ニューラルネットワークの構造を、プログラムのコードを記述し、その関数ブロックを組み合わせる事で構築しています。
一方、新開発のコンソールソフトウェアでは、この関数ブロックの概念を簡便な形でGUI上に表現可能。コンソールソフトウェアの画面上には、コンポーネントの形であらかじめレイヤー(関数ブロック)が用意されており、それらをGUI上に自由に配置するという簡単な操作でニューラルネットワークを構築できる為、プログラム開発効率を大幅に改善できるとしています。
ディープラーニングで用いられる主要な関数を用意し、構造を視覚で確認しながら設計、学習、評価可能。ドラッグ&ドロップでニューラルネットワークの編集が行なえる為、アイデアを反映しながら試行錯誤を繰り返し、最適なニューラルネットワーク構築を試せるとしています。
特にディープラーニングの初心者にとっては、コアライブラリの機能を視覚的に確認できる為、短期間で技能の習得が可能となります。
ネットワーク設計の完了後は、ボタン一つで高速な学習を開始。また、学習の進捗状況や性能は画面上でリアルタイムに確認でき、学習した何十種類ものニューラルネットワークを履歴として一覧出来ます。
↑学習した何十種類ものニューラルネットワークを履歴として一覧可能
前述の通り、既に有力なディープラーニング向けの開発環境は存在しますが、その中でもSONYが特徴とするのが、IoTデバイスなどへの組み込み等のモバイル実装の容易さや、「構造自動探索機能」と呼ばれるニューラルネットワークの最適化機能。また、速度面についてもアドバンテージがあるとしています。
「構造自動探索機能」は、ニューラルネットワークの設計を自動で最適化するもの。より高性能で軽量なニューラルネットワークを検索するチューニング作業を、ツール側で自動化してくれます。自動で得られた複数の最適化結果から、ニーズに応じたニューラルネットワークを選択可能。
数十回の学習成果を一覧で表示し、「一定のメモリ環境下で一定のエラーレート以下」という条件で、もっとも効率の良い構成をコンソール上で確認でき、その設定をIoTデバイスなどの組込機器で利用kできます。
↑誤差が少なく、処理回数が少ないネットワーク構成を一覧から選択できる
Neural Network Libraries/Consoleは、Python言語により、設計・学習・実行ロジックを記述しますが、学習したモデルは、C++APIを通じて様々なデバイスに実装でき、スマホやIoTデバイス、ロボット、自動運転など様々な製品への応用が可能としています。
既存のディープラーニング開発環境では、マルチGPUでクラウドベースの処理を行なうものもありますが、ポータビリティ(移植の容易さ)の高さを武器に、IoTデバイスでの採用を目指すとしています。
開発環境の提供が直接収益に結び付くわけでは有りませんが、SONYでは、「AI環境整備の一環」として実施。SONY製品はもちろん、他社製品やサービスでの対応拡大の為、セミナーやドキュメントの提供なども予定しているとしています。
SONYはディープラーニング向け開発環境では後発の分、こうした初心者にもとっつきやすい環境を提供しているんでしょうけど、熟練のプログラマーの場合コーディングした方が自由度が高いですし、思考がコーディング中心になっている為、やりやすいでしょうね。
ディープラーニング開発の基礎やロジックの理解には有効かもしれませんけど…。
■プレスリリース
人工知能(AI)を実現するディープラーニング(深層学習)の
統合開発環境Neural Network Consoleを公開
ニューラルネットワーク構造の視覚化で効率的なプログラム生成を実現
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201708/17-073/index.html
2017-08-23 14:15
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