SONY、最高画質有機EL BRAVIA「A9F」シリーズ発売

SONYは、最新映像エンジン「X1 Ultimate」を搭載した4K有機EL BRAVIAのフラッグシップシリーズ「A9F」を発売すると発表しました



発売日は10月13日。

65型の『KJ-65A9F』と55型『KJ-55A9F』を用意し、販売予想価格は65A9Fが65万円前後、55A9Fが45万円前後となっています。

1月に開催されたCESで「次世代映像エンジン」として披露した「X1 Ultimate」を初搭載し、先行して欧州でAF9として発表されたモデルの国内版で、SONY有機EL BRAVIAのフラグシップとなります。

発売中のBRAVIA A1/A8Fの映像エンジン「X1 Extreme」に対して、リアルタイム処理能力を大幅に向上し、更なる高画質化を図っているとしています。

BRAVIA A1シリーズと同様の床置きを前提としたスタンドと、SONY有機EL BRAVIAの特徴である画面そのものが音を発する「アコースティックサーフェイス」を搭載。画質と音の「究極の没入体験」を目指したBRAVIAフラッグシップモデルとして展開するとの事です。


↑A1シリーズ同様、床置を前提としたスタンドを搭載

尚、X1 Ultimateを搭載した液晶BRAVIAフラッグシップ「Z9Fシリーズ」も併せて発表しています。A9F/Z9Fは、BRAVIA史上最高の映像処理性能やパネル制御技術により、「映像制作プロの推奨に値する画質」の「BRAVIA Master Series」として展開するとしています。

65A9F、55A9Fのいずれも3,840×2,160pixの有機ELパネルと、新開発の映像プロセッサ「X1 Ultimate」を搭載。BRAVIA A1/A8Fシリーズで搭載の「X1 Extreme」比で、リアルタイム処理性能を約2倍に向上し、放送やネット動画などあらゆるコンテンツの画質向上を図っているとしています。





X1 Ultimateは、CESで8K対応の高性能プロセッサとして紹介されていましたが、実際の製品導入はA9FとZ9Fが初。オブジェクト型超解像は、従来の信号分析に加え、オブジェクト単位のグルーピングを行ない超解像処理を適用する事で、ノイズを抑えながら細部まで高精細化します。


↑オブジェクト型超解像

更に、「デュアルデータベース分析」を導入し、従来よりも細かいノイズを砕き切り、低品質な映像も高画質化出来る様にしたとしています。


↑ノイズ低減技術のノウハウを凝縮したデータベースを追加した「デュアルデータベース分析」

また、新HDRリマスターを導入。映像処理能力の向上により、被写体の細部ごとにコントラストを最適化可能となった為、細部のコンラトスト感や立体感も高めているとしています。HDR方式は、HDR10とHLG、Dolby Visionに対応。尚、3D（立体視）は非対応となっています。


↑進化した「HDRリマスター」

SONY専用のパネルコントローラとX1 Ultimateの組み合わせにより、高輝度時の色表現をより鮮やかにする「ピクセルコントラストブースター」を搭載。有機ELでは、高輝度時に制御機能が入り色域を最大化出来ないという課題が有りましたが、同技術により高輝度時でも鮮やかな色表現が可能になるとしています。


↑「ピクセルコントラストブースター」を搭載

A9Fシリーズは、映像制作プロが制作環境の画質に近づけて利用可能となる「BRAVIA Master」として訴求。

そのひとつ目の機能が「Netflix画質モード」。Netflixでは、納品する映像作品の制作者向けに、モニターや視聴環境の周囲照明や視距離、キャリブレーションの実施等、細かなガイドラインを定めています。


↑Netflix画質モード

Netflixモードは、Netflix再生時にこのガイドライン同等の画質に自動調整し、映像制作者が見ているのとほぼ同じ状態で画質を視聴可能になるモードです。

尚、Netflixモードは、BRAVIAのアプリでNetflix視聴時のみ選択できるモードとなっており、テレビ視聴時や外部入力時にはメニュー自体が出て来ないとの事。また、Fire TVなどのでのNetflix視聴時も選択出来ないとの事です。

もうひとつのBRAVIA Master機能が「CalMan for ブラビア」。映像クリエイターがモニターキャリブレーションで使用する「CalMAN」と連携するもので、CalMANを繋ぐだけで、手動のキャリブレーションより高速かつ短いトレーニング期間で調整が行なえる等、キャリブレーションプロセスを合理化できるとしています。

利用には、CalMAN Studio(またはUltimate)ソフトウェアと実行するWindows PC、SpectraCal C6-HDR2000カラーメータ、SpectraCAL VideoForgeProパターンジェネレータが必要となります。

また、テレビの画面そのものを振動させて音を出す「アコースティックサーフェス」も強化。



画面を振動板として利用するスピーカーで、3基のアクチュエータと2基のサブウーファによる3.2ch構成に強化し、出力も98W(13W×6+10W×2)に向上(A1/A8Fでは2.1chの50W)。



センターのアクチュエータの導入により、画面中央からの音の質を高めた他、サブウーファを横向きに配置した事で、立体的な音場を実現。「画面自体が鳴る」というアコースティックサーフェスの音質を向上したとしています。

アンプはデジタルアンプのS-Masterで、フロントサラウンド技術の「S-Force Surround」も搭載しています。

更にサラウンドシステム構成時に、A9Fをセンタースピーカーとして投入できる「センタースピーカーモード」を新搭載。背面にスピーカーケーブル接続端子を備え、AVアンプ等と繋いでパッシブ型のセンタースピーカーとしてA9Fを利用可能となります。


↑AVアンプと直接接続できるセンタースピーカー入力端子を搭載

チューナは、地上/BS/110度CSデジタル×2。別売の外付けUSB HDDを接続し、番組録画も可能。

BS 4K放送チューナは内蔵していませんが、11月に新4K衛星放送チューナ『DST-SHV1』を発売。HDMI接続により、BS 4Kの視聴も可能となります。




↑A9Fの背面デザイン


↑俯瞰画像

A9Fではシステム基盤を一新し、アプリ起動を高速化。更に4系統のHDMI入力が全て18Gbps対応となりました(A8Fは18Gbps×2、10.2Gbps×2)。全系統でHDR信号入力に対応。オーディオリターンチャンネル(ARC)はeARC対応となっています。

HDMIの音声入力は192kHzまでの5.1チャンネル リニアPCMに対応。コンポジット映像入力や光デジタル音声出力、アナログ音声出力、ヘッドフォン出力も備えています。

LAN端子とIEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetoothを備え、映像配信サービスの視聴や、アプリ「Video & TV SideView」を使ったスマホ連携に対応。

OSはAndroid 8.0(Oreo)で、映像/音楽配信サービスや写真やゲームアプリ、検索等に対応。ホーム画面は、左側にAppや天気などの選択ボタン、上部によく使うアプリ、画面の中央以下に各アプリの持つコンテンツが表示されます。Chromecast built-inによるスマホからのコンテンツ操作も行なえます。



Netflixや、ひかりTV、Hulu、Amazonビデオ、dTV、YouTube、DAZN、U-NEXT、AbemaTV、GYAO!などの映像配信サービスに対応。リモコンには、HuluとNetflix、U-NEXT、Abema TV、YouTubeの専用ボタンを備えています。


↑付属リモコン

システム基盤の強化により、動作が高速化。アプリ起動は起動時間は最高1/4まで高速化したとの事です。



Googleアシスタントは、リモコンのボタンを押して話しかけて音声操作するだけでなく、ハンズフリーで「OK,Google」と呼びかけて操作可能。「〇〇を検索して」、「今日の天気は?」、「今日のスケジュールを教えて」といった質問にBRAVIAが回答します。

更に、BRAVIAからではなく、スマートスピーカーから「テレビをつけて」と指示を出し、BRAVIAの電源を投入したり、音量の調整、チャンネル変更などの操作にも対応。

また、Works with Amazon Alexaにも年内対応予定で、Amazon EchoなどのAlexa対応スマートスピーカーから、BRAVIAの操作が可能となります。

消費電力は65A9Fが513W、55A9Fが393W。年間消費電力量は65A9Fが283kWh/年、55A9Fが243kWh/年。スタンドを含む外形寸法は65A9Fが144.9×32×83.5(幅×奥行き×高さ)cm/35.6kg、55A9Fが122.8×32×70.9(同)cm/30kgとなります。

スペックだけ見るとかなり欲しくなりますが、現行モデルのA8Fを見ると、液晶BRAVIAではだいぶ改善されて来た、モーションフローによるエッジのノイズ感等が有機EL BRAVIAでは気になります。

そこら辺がA9Fでどれだけ改善されているか気になるところです。まぁ、あとは来年発売のモデルはBS 4Kチューナー内蔵でしょうし、正直有機EL BRAVIAはまだ待ちだと思っています…。

■プレスリリース
次世代の高画質プロセッサー「X1 Ultimate」を搭載した4Kブラビア全4機種発売
「クリエイターの制作意図を忠実に再現する」MASTER Seriesの有機ELテレビ『A9F』、液晶テレビ『Z9F』
～テレビ本体内蔵マイクで、ハンズフリーの音声検索・操作に対応～
https://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201809/18-0904/