SONYとマイクロソフト、クラウドゲームやAI、イメージセンサー分野で協業

SONYとマイクロソフトは5月17日、ゲームやコンテンツのストリーミングサービスを展開する為のクラウドソリューションに関して協力すると発表しました。



Microsoft Azureを活用し、将来のクラウドソリューションの共同開発を検討します。

また、半導体とAI分野での協業も検討。パートナーシップに関する意向確認書を締結しました。

それぞれのゲームやコンテンツのストリーミングサービスでの用途を目的とし、将来のクラウドソリューションをAzureを活用して共同開発する事を検討。SONYのゲームやコンテンツのストリーミングサービスに、現在のAzureのデータセンターベースのソリューションの利用も検討していくとの事です。

この協業により、両社は「それぞれの世界中のユーザーにこれまで以上に充実したエンタテインメント体験を提供すると共に、コンテンツ制作者コミュニティに向けて、より良い開発プラットフォームを提供していく事を目指す」としています。

更に、半導体とAI分野での協業も検討。半導体においては、新しいインテリジェントイメージセンサーの共同開発の可能性を探るとの事。SONYのイメージセンサーとマイクロソフトのAzure AIテクノロジーをクラウドとエッジを跨いでハイブリッドに統合、SONYの半導体とマイクロソフトのクラウドテクノロジーを活用したソリューションを合わせる事で、より強力で便利なサービスを法人顧客向けに提供することを目すとしています。

AIに関しては、直感的でユーザーフレンドリーなAI体験を提供する為、マイクロソフトのAIプラットフォームとツールをSONYのコンシューマー製品で採用する事を検討するとしています。

SONYの吉田憲一郎社長兼CEOは「プレイステーションは、クリエイティビティとテクノロジーの融合により生まれた。私たちの使命は、このプラットフォームをシームレスに進化させ、最高で圧倒的に没入感のあるエンタテインメント体験を提供し続けるとともに、そうした体験をいつでも、どこでも楽しめるクラウド環境を提供していくこと。長年にわたり、マイクロソフトは競合する領域もあるが、私たちにとって重要なビジネスパートナー。両社による将来のクラウドソリューションの共同開発が、インタラクティブコンテンツの進歩に大きく貢献すると信じている。また、半導体やAIの分野では、両社の最先端技術を相互補完的に活用することで、社会にとって意味のある新たな価値を創造できると期待している」とコメント。

マイクロソフトのサティア ナデラCEOは、「ソニーは常にエンタテインメントとテクノロジーの領域でリーディングカンパニー。本日発表したマイクロソフトとソニーの協業は、イノベーションの歴史を創るものとなる。両社のパートナーシップにより、AzureおよびAzure AIをソニーが活用することで、新しいゲーミングやエンタテインメント体験をお客様に提供できることを期待している」としています。

確かにSONYやPlayStation NOW、PSNetwork等でゲームのストリーミングやクラウドサービスは提供していますが、Microsoftは世界第2位のクラウドサービスを提供していますし、その分野では一日の長がありますから、SONYにとっても美味しい話かもしれませんね。

巷ではGoogleが発表したクラウドゲームサービスStadiaに対抗する為と囁かれていますが、Googleはクラウドやストリーミング技術はあっても、ゲームビジネスはど素人な訳ですから、個人的にはStadiaはApple Arcadiaの対抗馬にしかならないと思っています…。

また、続報として、今回の業務提携に関して、SONYの上級役員主導で進められた為、SIEのPlayStation開発チームは寝耳に水だったと関係者が語ったというニュースも入って来ています。

こうした事情から恐らく、PS5世代で共同サービスを提供というより、もっと長期的な視野での業務提携だと思われますね。

■プレスリリース
ソニーとマイクロソフト、新しいクラウドベースのゲーム体験や
AIソリューションの開発に関する戦略的提携に向け意向確認書を締結
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201905/19-0517/index.html