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PEG-UX50(このSONYは惜しい?) [mylo/CLIE/LIBRIe/Reader]

この製品は2003年8月9日に発売されば、PalmOS搭載PDAの"CLIE"です。

PEG-UX50.jpg

UX50の特長として挙げられるのは、まずその小ささと形状。

男性の胸ポケットにも入る程小型なボディにも関わらず、480×320pixの横型液晶に、二軸ヒンジとキーボードと搭載し、ノートPCの様に使用したり、液晶を反転させて全面液晶端末として使用する事が出来る点です。

PEG-UX50_5.jpg
液晶を反転させたところ

また、UX50はCLIE初の横型ボディを採用した端末でも有りました。これは、同時期にCLIEとシェアを争っていたシャープ製のPDA、ZAURUSに対抗したデザインだと思われますが、ZAURUSが液晶を反転させると、縦表示になる仕様だったのに対し、UX50は反転させても、液晶が横表示という仕様でした。

基本的に、UX50はPalm機であるにも関わらず、キーボードを使用する事を前提とした製品の様で、端末の小型化によるキーボードの打ちにくさを軽減する為、キーボード面を波形にする事で、表面積を広くし、指が太い人でもボタンの押し間違えが無い様に配慮されています。

PEG-UX50_3.jpg
↑波形状のキーボード

CLIEはキーボードが無くても、スタイラスとジョグダイヤルを使う事で快適に使用出来る様に進化していたのですが、UX50のジョグダイヤルは、キーボード面の左下に位置する為、ノートPC形態で操作するにしても、全面液晶形態で操作するにしても、左手の親指で操作する事になる為、非常に操作性が悪くなっています。

その為、必然的にキーボードのカーソルキーで上下操作を行う事になります。

また、日本語入力支援ツールとして「デクマ」を使用出来るのですが、入力画面が左下に有る為、全面液晶形態で使用すると、本体をホールドする左手が邪魔になるという問題も有りました。

PEG-UX50_2.jpg
↑画面左下に入力領域が有る

この様に、ちょっとCLIEの進化とは逆行したハードウェア仕様となっている点が頂けない製品でした。

また、本製品にはクレードルが同梱されているのですが、これがただの充電スタンド。Hotsync(PCとの同期)を行う為には、本体にUSBケーブルを接続する必要が有りました。

PEG-UX50_4.jpg
↑付属のクレードル

更にこの製品、無線通信機能はBluetoothと無線LANしか搭載されていませんでした(無線という意味では、IrDAも搭載されてましたが、ネット接続には使えませんので…)。

当時は、Bluetooth対応機器は殆ど無く、公衆無線LANも殆ど無い時代でした。ましてやテザリング機能を持つ通信端末なんて有りませんでしたから、家やオフィス等で無線LANが構築されていない限り、インターネット接続も出来ない製品だったのです。

この様に、ハードウェアでもソフトウェアでも非常に使い辛い仕様となっていた製品です。当時、割と身の回りにCLIEを所有する人が多かったのですが、後にも先にも、UX50を所有していいた人は一人しか知りません。恐らく、世間一般でも殆ど普及していなかったのでは無いでしょうか?

恐らくZAURUSに対抗して、1社独占を目指した製品だったのでしょうが(当時PDA市場はCLIEとZAURUSでほぼ二分していた)、結局、その仕様の甘さから、その夢は果たせませんでした。

キーボード非搭載という点でCLIEを敬遠していた(キーボード搭載CLIEも有ったが、どれも大型で高額だった)PDAユーザーも多くいたので、もっと作り込めば、そうしたユーザーを取り込めたかもしれないと思うと、非常に残念な製品です。




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