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PCVA-HVP20(このSONYは惜しい?) [その他VAIO関連機器]

この製品は2003年11月22日に、VAIOエクステンデッドラインとしてVAIOブランドで発売された、ポータブルAVプレイヤーです。

PCVA-HVP20.jpg

この製品は、PCのマネージャーソフト「ビデオ転送マネージャー」からビデオファイルを転送し、それを再生する、という機能しか無いシンプルな仕様となっています。

また、機能もシンプルならユーザーインタフェースもシンプルで、操作に使用するのは十字レバーとその下にある再生、停止ボタンの2つだけ。リストアップされたビデオファイルを上下ボタンで選択し、プレイボタンを押すだけで再生。途中で視聴を止める場合は停止ボタンを押すだけという仕様となっています。

PCVA-HVP20_2.jpg

先にAVプレイヤーとご紹介しましたが、この製品は、いわゆる「マルチメディアプレーヤー」ではなく、ダイレクトに再生できるのは、VAIOで録画したビデオカプセル(GigaPocketの録画ファイル)と、MPEG-1、MPEG2のみとなっています。

音楽再生機能やフォトビューワーといった機能は無く、純粋に録画したテレビを観る事に特化した製品でした。

HDD容量は20GBですが、高圧縮のMPEG-4では無くMPEG-2のみしか対応していない為、収録可能な番組数はあまり多くありません。尚、連続再生時間は4時間とそこそこ長時間の視聴が可能でした。

本体サイズに関しては、全面のサイズはCLIE程度ですが、HDDを内蔵しているだけあって、最厚部で30mm、重量300gと若干嵩張るサイズとなっています。

液晶モニターは3.5インチTFTで、輝度も十分に有り、この手の製品としては格段に見やすく、キレイな画質となっていました。

電源は左側面の下部に、右側面上部には、やや堅めの樹脂製カバーに隠れて端子類が配置されていて、上からDC、USB 2.0、AV出力端子が並んでいます。

ビデオ転送の方法も簡単で、PCとHVP20をUSB接続し、前述の「ビデオ転送マネージャー」を立ち上げると、ソフトウェアがHVP20を認識します。

PCVA-HVP20_3.jpg

上図は、「ビデオ転送マネージャー」のGUI画面で、右側がHVP20の状態を示しており、左側に転送したいファイルとなっており、VAIOで録画したビデオカプセルやMPEGファイルを左側のリストにドラッグ&ドロップで登録。中央のファイル転送ボタンをクリックすると、転送が始まる仕組みとなっています。

使用感としては、SonicStageやX-アプリでウォークマンに楽曲を転送する感じに似ています。

更にビデオカプセル転送では、便利な機能が有ります。まだ予約しただけで実際には録画していないビデオカプセルも、転送予約として登録できるという機能です。録画が完了した時点で、自動的に転送リストに登録される仕様となっています。

またタイマー転送機能が有る為、時間を指定しておくと、自動的に転送をする事が可能となっています。予約したビデオカプセルを転送予約状態にしておき、タイマー転送を出かける前30分ぐらいに設定しておけば、毎朝何もしなくても前日に録画した番組がHVP20に転送されているという使い方が可能となります。

転送されたファイルは解像度720×480のSDビデオサイズ、フレームレートも29.97fpsとDVDと同スペックでの再生が可能な為、このサイズの液晶では十分過ぎる程、キレイな映像を視聴する事が可能でした。

再生中の操作としては、ジョイスティックの左右クリックで15秒のスキップ、長く倒すと10倍速の早送りで、更に10秒ほど倒し続けると30倍速の早送りとなります。また、指を離すと、再生状態に戻ります。またクリックによる15秒スキップはキーバッファに蓄積される為、CM秒数分をまとめてクリックすれば、順次スキップする事が可能です。尚、ボリュームは上下キーに割り当てられています。

あまりボタンの凹凸が無い為、若干ボタンが押し辛いものの、取り敢えずは片手で一通りの操作が可能となっています。

尚、「ビデオ転送マネージャー」はVAIO以外のPCにもインストール可能な上、ビデオカプセル以外のMPEG-2、MPEG-1ファイルの再生にもHVP20は対応している為、他社製PCを所有していても(保証対象外では有りますが)、本機にビデオ転送を行う事は可能でした。

ただ、ビットレートに関してはCBR6~8Mbps程度で有れば問題無く再生が可能でしたが、VBRの場合、あまり高ビットレートだと再生自体が不可能となりますし、VBRの場合、早送りや巻き戻し再生時に正しく表示出来ないという問題も有りました。

また「ビデオ転送マネージャー」はファイルコンバート機能も備えていて、AVIファイルやWMVファイルを登録した場合は、自動的に4Mbps CBRのMPEG-2ファイルに変換を行ないながら、本機に転送する仕様となっています。

しかしながら、こちらも制約が有り、解像度が720×480pixにしか対応していない為、VGAサイズ(640×480pix)のファイル等を転送しようとすると、マネージャーに弾かれてしまいます。また、アスペクトも4:3にしか対応していない為、DVDの様にスクイズ収録された4:3を16:9に引き伸ばしてやる機能が無く、そうしたファイルは縦に長体がかかった状態での視聴しか出来ませんでした。

更に、外付けHDDとしてPCにマウントが可能なんですが、その際、ACアダプタを接続しないとPCから認識出来ないという弱点も有りました。

この様に、一長一短では有りましたが、当時ワタシの家にはデジタル放送は導入されていませんでしたし、HDDレコなんて物も持っておらず、もっぱら録画はVAIOで行っていた為、購入を検討したのですが、音楽ファイルの再生やデジカメ画像のビューワーとして使用出来ない事がネックとなり、購入には至りませんでした。

折角、VAIOブランドで発売するんですから、音楽ファイルや静止画ファイルの再生に対応していても良かったと思うんですが…。

また、MPEG-4のデコードは電力消費が激しい事や、そもそもGigaPocketのビデオファイルをそのまま転送する事で転送速度をウリにしてい為、再生対応フォーマットをMPEG-2、MPEG-1に絞った事は賢明だと思いますがMPEG-2でHDDが20GBはちょっと容量が少なすぎだと思いました。

如何にもSONY迷走期の製品といった感じがします。マルチプレイヤーとして発売していれば、その画質の良さからもっと評価されたと思うんですが…。非常に残念な製品です。




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コメント 1

そぬす

2014年7月現在の話です…。先日、総武線内でこの製品を使用してテレビ番組を見ている方が居ました…。非常に驚きでした。しかもちゃんと地デジ番組がレターボックスになっていました。
レコーダーからアナログ出力したものを、PCでキャプチャしてるんですかね?そうなると古いVAIOもまだ持ってるんですかね?
まさか、未だに使用している方が居るとは思いませんでした…。

by そぬす (2014-07-18 18:01) 

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