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HMP-A1(SONYの遺伝子) [その他映像関連機器]

この製品は2004年6月26日に発売された、20GBのHDDを搭載した、マルチメディアプレイヤーです。

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以前ご紹介した、PCVGA-HVP20と異なる点は、動画ファイルに加えて音楽ファイルや静止画ファイルの再生が可能な上、動画コーデックもMPEG-2に加えてMPEG-4コーデックに対応していた点です。

しかも、同じ3.5型液晶、20GB HDDを搭載しながらも、HVP20が幅84×高さ120×奥行28mm、重量300gとおおぶりなボディだったのに対し、幅129.6×高さ75.6×奥行き22mm、重量250gとかなりコンパクトなボディとなっていました。

また、GUIが洗練されている上にタッチパネル操作でファイルの選択が可能な為、ジョイスティックでカチカチと選択を行わなくてはならないHVP20に比べて操作性も向上していました。

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↑液晶脇の縦長の溝がタッチセンサー部

尚、リモコン付きイヤホンが同梱されており、リモコンでも再生、停止、ファイル送り、ボリューム調整等一通りの操作が可能となっています。

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↑付属のリモコン

ファイル転送マネージャーソフトは、動画/静止画用の「HMP-Image Transfer Manager」と音楽用の「MUSICMATCH Jukebox」が用意されています。

MP-A1の対応動画ファイルは、MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4とVAIOのGigaPocketで録画したビデオカプセル。対応ビットレートは、MPEG-1が最大4Mbps、MPEG-2が最大8Mbps、MPEG-4が最大1Mbpsまでとなっています。

MPEG-2の15Mbpsのファイルなど、対応ビットレート外のファイルについては、「HMP-Image Transfer Manager」が転送時に8Mbps以下のMPEG-2かMPEG-4に変換して転送する仕様となっていました。

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↑「HMP-Image Transfer Manager」の転送画面

「HMP-Image Transfer Manager」の操作感は、HVP20同梱の転送マネージャーソフト「ビデオ転送マネージャー」同様、SonicStageやx-アプリに近いものとなっています。

また、「ビデオ転送マネージャー」では非対応だった解像度640×480pixのファイルや16:9サイズにも対応。しかも、変換ファイルのカスタム設定が可能となっています。

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↑変換時のカスタム設定画面

音楽ファイルの転送に関しては、前述の通り、「MUSICMATCH Jukebox」を使用します。プレイリストの編集や、転送も可能で、特徴的なのはSONY製であるにも関わらず、ATRACコーデックでは無く、MP3のみに対応していた点です。

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↑「MUSICMATCH Jukebox」の操作画面

正直、SonicStageよりも使い辛いソフトでは有りましたが、当時、ウォークマンはATRACコーデックしか対応していなかった事を考えると、MP3対応という点でポイントは高かったです。

また、HVP20では、PCの外付けHDDとして利用する際、ACアダプタを接続する必要が有りましたが、本機はUSB接続のみでPCから認識が可能となっています。

更に特筆すべきなのは、「神ファーム」の存在です。

どうやら、この製品は開発にあたり、専用のデコードチップを開発したのでは無く、ポータブルDVDプレイヤーのチップを流用した様で、ファームで機能の多くを封印していました。

そんなある日公開されたのが、オリジナルファームでした。

当然オフィシャルでは無く、一般の方が公開したものですが、そのファームを一連のツールと共にインストールすると、隠されていた↓の機能が利用出来る様になりました。

・1.3倍速再生
・暗号化されていないDVDのダイレクト転送
・マルチトラック音声の選択
・DVDからリッピングしたファイルの字幕表示
・ズーム表示
・DVDからリッピングしたファイルのチャプタースキップ
・MPEG2 10Mbps の高ビットレートの転送、再生
・iTunesでエンコードしたAACの再生
・iTunesのIDタグ表示
・バッチビデオデータ転送

これらの機能の恩恵は多大で、そのオリジナルファームはネット上で「神ファーム」と呼ばれました。

相変わらずHDD容量が20GBしか無い為、DVDをリッピングしたデータをそのまま転送した日には、DVD4枚程度しか転送出来ないという問題は有りましたが、他メーカーには無い仕様jに変わりは有りませんでした。

また、画質に関しては、若干HVP20より劣るという難点も有りましたが、他の数有るアドバンテージの前では些細な問題です。

例え、オリジナルファームが出回らなかったとしても、HVP20の発売から半年足らずで、HVP20の弱点であった、動画ファイル以外の再生非対応。MPEG-4ファイルの非対応、解像度やアスペクト比の問題、USBマスストレージとしての利便性の向上等を克服した製品を発売した事は偉大だと思います。

HVP20の購入を見送ったワタシですが、「この製品の仕様ならば買いだ!」とも思ったのですが、発売当時、販売価格が65,000円もした為、二の足を踏み、結局購入には至りませんでした。

この価格設定を考えると、4.3型液晶を搭載し、最大32GBのメモステを利用できるマルチメディアプレイヤーであるPSPが20,000円で買えるのは破格ですよね?

まぁ、コスト度外視でハイスペックな製品を作り上げたという点では、非常にSONYらしい製品と言えるんじゃないでしょうか?



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