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PEG-VZ90(SONY驚異の技術力!!) [mylo/CLIE/LIBRIe/Reader]

この製品は2004年9月25日に発売されCLIEで、CLIE最後の製品となります。

PEG-VZ90.jpg

特徴として、480×320pix表示対応3.8型のタッチ式カラー有機ELディスプレイを搭載する点で、当時市販される有機ELディスプレイ搭載機器として世界最大となっていました。

有機ELディスプレイの仕様は、応答速度1μsec、視野角上下左右とも180度、コントラスト比1,000:1。SONY独自の「Top Emission」方式により、従来タイプの有機ELよりも大きな開口率を実現していました。

ボディは横画面表示を基本とするデザインで、スライド式の操作パネルを備えています。横画面表示を活かすため、動画や写真など、AVコンテンツの視聴にフォーカスされ、ディスプレイの両側面にステレオスピーカも備えていました。また、操作パネルには、AVコンテンツの操作が容易なディスクジョグを搭載しています。

AVメディア視聴用のソフトウェア「Media Launcher」を備え、動画フォーマットはCLIE MP4、QuickTime、MPEG-1など、音楽フォーマットはATRAC3、MP3に対応します。

また、当時VAIOシリーズに登載されていた動画、静止画、音楽管理ソフト「Do VAIO」に対応する「Image Convertor 2 for CLIE MP4」が付属。Do VAIOでの録画開始と同時にCLIE MP4への変換が可能で、AVI、WMVなどからの変換にも対応します。

尚、SONYのPIMソフト「CLIE Organizer」も搭載していましたが、縦画面表示のみの対応となります。

有機ELディスプレイを長時間駆動させる為、バッテリは1,300mAhのリチウムイオンポリマーバッテリを2つ搭載。2つのバッテリを同時に充電開始する為、急速充電と高容量化を実現していました。

駆動時間は、液晶輝度最大時の動画再生で約4時間、減光モード利用時で約12時間。音楽再生は最大約42時間(ディスプレイ消灯時)の再生が可能。PDAとしての使用可能時間は約18日間(減光モード、予定表などを1日30分使用)となっています。

CPUはソニーHandheld Engine 123MHz。メモリはRAM 64MB(ユーザー使用可能領域40MB)、Flash ROM 128MB(ユーザー使用可能領域95MB)を搭載。メモリスロットはメモステ(PRO対応)スロットのほか、CFスロットを備えていました(Microdrive非対応)。

インターフェイスはUSB2.0、IEEE 802.11b無線LAN、IrDA、AVリモコン用ポートなどとなっています。

本体サイズは約109×23×87(幅×奥行き×高さ)mm、重量は約270g。USBクレードルや、インナーイヤー方式ステレオヘッドフォン、キャリングケースなどが付属しています。

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↑付属クレードルにVX90を設置したところ

この製品が面白いのは、キャリングケースも付属している点で、本体とキャリングケースが一体化した造りになっています。黒い革製のケースが背面でしっかりネジ止めされています。ケースを閉めると、かなり太い印象です。

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↑キャリングケースを装着したところ

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↑横から見るとかなり分厚い

本体左側には、CFカードスロットとメモステスロット、それから赤外線通信部が配置されています。CFはメモリも挿せますが、通信カードにも対応しいます。

ただ、対応しているのは、セイコーのAH-S405Cだけとなっています。

右側には、リモコンとイヤホンコネクタが有るのみ。底部はクレードル用マルチコネクタと、電源スイッチが有ります。スタイラスは上部に収納できます。

クレードルは非常に小型かつシンプルなデザインで、USBケーブルは背面から直出し。電源は、少し上の部分に背面から挿すようになっています。常時携帯もできそうなほど小型ですが、本体を支えるアクリル部が外せないのでちょっと持ち歩くには邪魔かもしれません。

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↑付属クレードルもスタイリッシュなデザイン

また、モバイル用には別途、小型のプラグアダプタも付属しています。

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↑モバイル用小型アダプター

その他付属品として、音楽再生時に使用するリモコンが有ります。再生/停止、スキップ、ボリュームのシンプルなものですが、先端には突起があって、この部分もスタイラスとして使える様になっていました。

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↑先端がスタイラスにもなるリモコン

有機EL液晶(しかもタッチパネル)搭載や、スライド式の液晶部などかなりセンセーショナルな製品でしたが、販売当初の価格が95,000円と値段もかなりセンセーショナルな製品でした。

まぁ、まだまだ有機ELパネルの歩留まりが悪く、製品化が難しい時代の製品ですが、仕方無いと言えば仕方無いんですが…。

しかしながら、無理にでも有機ELを採用したおかげで、この製品のウリとも言える動画再生機能に大きく貢献したのも事実です。

VZ90が発売される前から、CLIEは動画や音楽再生を前面に打ち出していましたが、当時PDAに採用されていた液晶は解像度こそVZ90と同等クラスでしたが、応答速度が遅く、視野角も狭い上、発色が派手すぎたり、逆に悪かったりとあまり性能が良くなく、動画再生などには不向きでした。

VZ90はそうしたPDAでの動画試聴環境を大きく変えました。輝度自体はそんなに高い訳では有りませんが、日中の太陽光の下でも見やすい画面。液晶では無い為、応答速度も早く、視野角も広いという理想的な表示デバイスを搭載していたという訳です。

PDA市場にも高画質に拘った造りは、コスト度外視で高性能は製品を作ろうというコンセプトは非常にSONYらしいとも言えます。

先にも触れましたが、この製品がCLIEの最終製品となってしまい、その後SONYはPDA市場から撤退してしましますが、CLIEの集大成の様なこのVZ90が発売され、有終の美を飾れた事がせめてもの救いなんじゃないでしょうか?




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