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W800(SONYの遺伝子) [フィーチャーフォン]

この製品は、世界初のWalkman Phone(ウォークマン携帯)として2005年3月にソニー・エリクソンが海外市場向けに発表したGSM方式の携帯電話となります。

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この製品以前にも音楽再生機能を持つ携帯はソニエリから発売されていましたし、SONY本体で携帯端末の開発を行っていた時代に、国内でもドコモ向けの”SO502iWM”やau向けの”C404S ”といったATRAC3再生機能をウリにした製品は発売されていました。

ところが、国内外で色々な事情から音楽再生機能を持っていてもWalkmanブランドを持つ携帯電話は発売されませんでした。

恐らく、海外モデルではSONYのWalkman神話的な思想から「音質を追求するWalkmanブランドを携帯電話につける訳にはいかない」といった事情が、国内では携帯キャリア側から「メーカーのサブブランド名を端末に付ける訳にはいかない」といった事情が有ったのでは無いでしょうか?

そんな折に発表されたのが、この”W800”でした。”W800”は最大30時間のバッテリ寿命とデジタル音楽プレーヤー機能、および2Mpixのデジタルカメラ機能を搭載。

ボディカラーはシルバーとオレンジのツートンカラーで統一され、重量100g以下の薄型軽量ストレートタイプとなっていました。

W800_2.jpg
↑カメラは2Mpixと控えめ

尚、ウォークマン機能が対応する音楽形式はMP3およびAACとなります。楽曲の転送は付属するDisk2Phoneソフトウェアで行い、再生中の着信のコール音は、ヘッドホンを通して聞くことが可能でした。

また、”W800”はDirect Musicボタンを本体に備えており、音楽の再生、一時停止、停止といった操作ができる他、音楽プレーヤー機能と携帯電話機能をそれぞれ独立して使用する事ができます。

バッテリ駆動時間は、電話のスイッチをオンにした状態で約15時間、オフにした状態で約30時間。カメラには、オートフォーカス機能、フラッシュ、レンズカバーを搭載する他、イヤフォン及び、約150曲の収録が可能な512MBメモステDuoが付属していました。

当時のSony EriccsonのSenior Vice PresidentのRikko Sakaguchi氏は、”W800”を「ポータブル音楽プレーヤーに求めるられる必要条件を満たした製品」とし、携帯電話市場、ポータブル音楽プレイヤー市場双方に訴求したい構えとしていました。

SONY時代には叶わなかった、ウォークマンブランドを持つ携帯がSony Ericsson時代に発売されるというのは皮肉な話ですが、この頃からソニエリ内にはオールソニーの意思が芽生えていたのでは無いでしょうか?

楽曲転送ソフトこそDisk2Phoneというソニエリの独自ソフトですが、”W800”が発表された2005年3月1日の翌日、2日に当時のウォークマンへの楽曲転送ソフト、Sonic Statgeのバージョン3.0がリリースされ、それまでMP3ファイルをウォークマンへ転送するにはATRACに変換してからの転送だったのが、ネイティブ転送が可能(対応ウォークマンのみ)となりました。

当時のSONYのお家事情的にSONY側からのウォークマンのMP3対応が、端末開発時点という速い段階でソニエリに持たされたとは考えにくいので、ウォークマンのMP3対応はソニエリ側からの要望も有ったのかもしれませんね。

また、その後、ソニエリはCyber-shot Phone、BRAVIA PhoneとSONYのサブブランドを冠する端末を発売する事になりますし、他メーカーも自社のテレビブランドを冠する端末を開発する様になった為、”W800”は家電サブブランド名を冠する携帯電話の草分け的存在でも有りました。

こうして考えると、開発経緯やその思想は非常にSONYらしい製品だと思います。また、当時のソニエリの魂が今日のソニモバでも生きており、だからこそXperiaシリーズのヒットに繋がっているのではないでしょうか?




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