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PEG-S500C(SONYの遺伝子) [mylo/CLIE/LIBRIe/Reader]

この製品は2000年9月9日に発売された、CLIEの記念すべき1号機になります。

PEG-S500C_1.jpg

元々Palm端末は充電一回で長期間使用できる事をコンセプトとし、高速なCPUや処理の重いアプリケーションを搭載していませんでした。

しかしながらSONYは、得意の省電力技術を活かし、PalmOSを搭載しながら比較的高速なCPUを搭載し、動画再生アプリケーション等をプリンストールした、CLIE "PEG-S500C"を開発、発売しました。

また、外部メモリとしてメモステを採用する事で、サイバーショットやメモステウォークマン等、SONY製品との連携を謳っていました。

更に、当時のSONY製品には欠かせないジョグダイヤルを採用する事で、住所録やスケジューラー等、PalmOS標準アプリにおいても、スタイラスペンを使用するより快適な操作性を実現しています。

SONY独自アプリとしては、マルチメディア性を重視し静止画ビューワーの「Picture Gear Pocket」や動画再生アプリの「gMedia」等をプリンストールしていました。

更に、国内版には日本語入力システムとしてATOK Pocketを採用していました。ちなみに、その後他メーカー含めて携帯やPDA、カーナビ等に採用されたATOK Pocketですが、そもそもは、S500C搭載用にSONYがジャストシステムに開発依頼を行ったソフトでした。

尚、当時はWi-Fi環境なんて無かったので(規格は制定されてましたが…)、通信するには携帯電話やPHSを接続する必要が有ったのですが、S500Cはモデムを内蔵していなかった為、同梱のモバイルコミュニケーションアダプターを接続した上で、アダプターとケーブルを携帯やPHSに接続する必要が有った為、通信する際はかなり嵩張ります。

PEG-S500C_2.gif

PEG-S500C_4.gif

また、PCと接続しデータの同期(Hotsync)を行う際は、クレードルも同梱されていた為、いちいちケーブルを接続せず、クレードルに置くだけでUSBデバイスとして認識し、同期が可能なのは非常に便利でした。

ちなみに、S500Cと同時に”PEG-S300”という製品も発売されていますが、こちらはS500Cがカラー液晶だったのに対して、白黒液晶を搭載した兄弟機で、ハードウェアスペックは全く同じものとなっています。

PEG-S300.jpg
↑白黒液晶搭載の”PEG-S300”

それまで、PDAはスケジューラーや住所録、メール使用の為の端末というイメージでしたが、CLIEの登場でPDA市場は一気に動画や音楽再生も可能なマルチメディアプレイヤーという側面を持つ様になりました。

通信モジュールこそ搭載していませんが、CLIEこそ、今のスマホのひな形となった製品と言えるのでは無いでしょうか?

惜しむらくは、CLIEを開発出来たSONYが、何故iPhoneに先駆けて世界的にヒットするスマホの開発を出来なかったか?という事です。




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