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VGP-D23HD1(このSONYは惜しい?) [その他VAIO関連機器]

この製品は、2004年12月11日に「VAIOフルHDディスプレイ」と銘打ちVAIOブランドで発売されたフルHD液晶ディスプレイとなります。発売当時の販売価格は40万円前後でした。

VGP-D23HD1_01.jpg

最大の特徴は、同年10月にQUALIAブランドとして発売された46型液晶テレビ『KDX-46Q005』と同様に、LEDバックライトを採用した点となります。

CCFL(冷陰極管)方式と比較して、大幅に色域を広げ、色をより忠実に表示でき、特に深緑や深紅などを忠実に再現できるとしていました。

パネル解像度は1,920×1,200pix、視野角は上下/左右170度、輝度200cd/m2、コントラスト比は700:1。応答速度は19.8ms。LEDバックライトは液晶パネルの左右に配し、LEDの発熱が大きい為、左右にヒートシンクも装備しています。

VAIOブランドなのでPCディスプレイ扱いですが、地上アナログチューナも内蔵。Faroudja製のデ・インターレース回路も搭載し、高画質化を図っているとしています。スピーカーは2ウェイバスレフ型で40mmコーン型ツィータと57mmコーン型ウーファを搭載、10W×2chのS-Masterデジタルアンプにより高音質化を実現したとしています。

入力端子は、DVI-D(HDCP対応)、D-Sub15ピン(アナログRGB)と、D4、S映像、コンポジットを各1系統装備。3ポートのUSBハブも備えています。消費電力は約190W。外形寸法は673×228×539(幅×奥行き×高さ)mm、重量は約25kg。リモコンが付属していました。

当時のPCメーカー製ディスプレイとしては珍しいLEDバックライトの採用や、それによる色域の広さをウリにしていたのは先進的でしたが、アナログチューナーや入力端子の多さが逆に仇となる製品でした。

というのも、アナログチューナーに関しては、当時BRAVIA等に搭載されていた画像処理エンジンDRCが搭載されておらず、単なるデインター回路しか搭載されていなかった為、iP変換が酷く、アナログ画像は完全に残像を引いいた様な画になっていました。

また、入力端子による色域の補正を行っていない為、当時レコーダーなどからのHD入力の主流だったD端子入力においてもRec709の色域以上に広げてしまう為、DVDや録画したビデオ等を視聴する際にも不自然に赤や緑の色域が広がって表示されてしまうという問題も有りました。

更に、初期不良品が多く、液晶が白浮きしている個体が複数出回っていた事や、アナログ入力の場合、入力信号の強弱に影響してホワイトアウトしたりする等の問題を抱えていた為、発売後の評価がすこぶる悪い製品となってしまいました。

そもそも、『VGP-D23HD1』は、以前ご紹介したアナログ放送全録可能なVAIO tyoe X『VGX-X90P』と同時に発表され、type Xと一緒に使用する事を前提とした製品(勿論他メーカー製PCと接続も可能ですが…)で、type X内にもアナログチューナーは内蔵しているのに、ディスプレイ側にもチューナーを内蔵したり、D端子やコンポジット入力も搭載するという、テレビライクな使い方を可能にしたのが間違いだと思います。

DVI-D入力で、フォトショやイラレなどAdobe RGB出力用途といったPCモニターとすれば優れた製品だったと思うんですが、下手にビデオ機能を前面に出したtype X向けの様に発売したのは完全に失敗だったと思います。

コンセプトや、LEDバックライト搭載というのは画期的だったのに、肝心の動画視聴といった点で技術が追いついていなかったのは非常に残念でした。しかも販売価格が40万円近くもしましたから、実機を見ずにテレビ代わりに購入した方の不満は相当なものだったと思います…。




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