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SIE、PS5の技術解説動画を公開 [PlayStation]

SIEは、PS5の技術解説動画を3月19日に公開し、PS5の設計思想やスペックに関する詳細を明らかにしました。

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本来開催予定だったゲーム開発者イベント「GDC 2020」で公開を予定していたものですが、一連の新型コロナウイルスの影響で、動画配信での発表になりました。

動画で解説を務めたのは、PS5のリードシステムアーキテクトであるマーク・サーニー氏。

動画ではPS5のビジュアルや全体像は明かさないまま、設計思想として重要な3つのトピック、SSD、GPU、3Dオーディオについて紹介しました。

[新月]独自高速SSD

サーニー氏によれば、PS5の設計思想は多くのゲーム開発者との話し合いの中で決定したとの事。PS5では新たな機能も備えていますが、現役の開発者が1カ月以内で習得できる様なものになっているとの事。

サーニー氏が「次世代の鍵」とするもののひとつが、SSDの搭載。PS4で標準採用されたメインストレージはHDDでしたが、PS5ではSSDを標準搭載します。

SSDを搭載する最大のメリットはローディング時間。シーケンシャルアクセス速度はPS4のHDDが50~100MB/sだったところ、PS5のSSDでは5.5GB/sを実現します。

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PS4でもHDDをSSDへ換装する事で、2倍程度の速度向上が実現出来ますが、PS5ではSSDそのものをRAMとして扱う等メモリの読み込みも工夫する事で、PS4比較での「速度100倍」が実現するとの事。

この速度が実現する事により、ゲームの作り方も大幅に変わるとサーニー氏は言っています。例えば3Dモデルのゲームでは、マップ全体を一気に表示させると大量の時間がかかる為、視界に映らない場所はカットしたり、分割して読み込ませる事でロード時間を短縮させていました。しかし高速SSDがあれば、視界に映らない背景も含めてそもそもロードしておく事が可能となります。

また「Marvel's Spider-Man」の都市等では、ある程度の塊をグループ化する事でスパイダーマンの高速移動にも耐えうる読み込み速度を実現していましたが、こうした手法ではローディング時間が短縮できる代わりに、メールボックス等同じようなオブジェクトが頻繁に登場してしまう事にも繋がります。つまり、これまでプログラム上の工夫が必須だった「読み込み速度」の制限がより緩まり、開発者がより自由にゲームを設計する事が可能となります。

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SSDの標準容量は825GB。これはゲーマーのあらゆるプレイパターンを検証した結果、SSDの価格とプレーヤーの満足度のバランスを考えて決定されたとの事。加えて、ストレージの追加も可能となっています。

[新月]GPUは「RDNA2」カスタム

続くGPUの紹介では、AMDの次世代GPU「RDNA 2」をベースとしたカスタムGPUを採用したことが明かされました。

GPUはPS4タイトルの下位互換にも対応しており、これはPS5の標準機能として搭載。サーニー氏は「互換性の確認はタイトルごとにテストする必要がある」としながら、現時点では「プレイ時間の長いトップ100のPS4タイトルをテストしており、その殆どはPS5のローンチと同時にプレイできる様になると期待できる」と述べています。

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またカスタムGPUの機能として、AMD GPUならではのグラフィックス機能「プリミティブシェーダ」やレイトレーシング機能にも対応します。レイトレーシング機能では秒速100億単位の光線を簡単に表現できる他、フルレイトレーシングにしたとしても、秒速10億単位の光線を表現可能。

既に開発中のPS5用タイトルでは、「レイトレーシングベースの陰影や、複雑なアニメーション表現の成功を確認している」と述べました。更にCPUとGPUの処理バランスを常時チェックする事で、消費電力を抑えているとしました。

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[新月]3Dオーディオ機能

そして、サーニー氏が最後に触れたのが「3Dオーディオ」について。3Dオーディオは、サーニー氏が「次世代の夢」として語ったもので、開発者とともに発展させる狙いがある事を強調した機能となっています。

サーニー氏が3Dオーディオを重要視するのは、精度の高い3Dオーディオがある事で、全てのゲーム体験がより向上する為。周囲から回り込むように音声が聞こえる事で、よりその場にいる感覚を味わえるし、FPSなどでは「右後ろのこの距離に敵がいる」等実際にゲームプレイにも影響します。

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PS5では「TEMPEST 3D AudioTech Engine」と呼ばれる独自の音声エンジンを採用し、VR、ヘッドフォン、スピーカーといったあらゆる音声環境で3Dオーディオ体験を提供出来る様にするとの事。特にテレビスピーカーなど正面からのみ聞こえる環境であっても、PS5では疑似3Dオーディオが体験できるとしています。

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3Dオーディオ実現の為に、サーニー氏はHTRF(頭部伝達関数)、つまり人によって異なる音の聞こえ方のバラツキを調査。「その場にいる感覚」を味わうにはその人のHTRFに合わせた音の出力がキーとなりますが、PS5のローンチ時では5つのプリセットが提供されます。

HTRFについては、将来的に耳や頭の写真をSIEに送ると、ニューラルネットワークを駆使して個人に合わせたHTRFプリセットが提供される様になるかもしれないとの事。これらは今後の研究分野であり、「みなさんと歩むことになるだろう旅」だとサーニー氏は話しました。3Dオーディオが実現する事で、すべてのプレーヤーが「次のレベルのリアリズム」を体験できるだろうと締めくくっています。

ハードウェアスペックは、先に発表されたMicrosoftのXbox Series XよりCPU、GPU、メモリ帯域、そしてストレージと数字上では少しずつ下回ります。

特にGPUに関して言えば、Compute UnitがXbox Series Xの52に対して36と少なく、トータルでの性能はXbox Series Xの12 TFLOPSに対して、10.28TFLOPSに留まります。

しかし、個々のスペックがXbox Series Xより低いにも関わらず、ローディングについてはXbox Series Xの2.4GB/sに対して、PS5は5.5GB/sと倍以上の差を付けている事が驚愕的です。

これはいずれも非圧縮データでの比較で、圧縮データの比較においてもXbox Series Xが4.8GB/sに対して、PS5は8~9GB/sと、圧倒的な差に変わりありません。これは決定的な設計思想の差といえるもので、SSDの安定高速読み込みを行う為、SSDにSIEはPS5用に開発した「フラッシュメモリー用カスタムコントローラー」をセットで内蔵。

SoCとコントローラーの間はPCIe 4.0で繋がり、フラッシュメモリーコントローラーとフラッシュメモリーの間は、12チャンネルのインターフェイスで接続されおり、結果として、毎秒5.5GBのデータ転送が実現させています。

幾らスペックが高い汎用パーツを組み上げてコンシューマゲームコンソールを作ったとて、自作PCには到底太刀打ち出来ない訳ですし、ましてやPS4からPlayStationもx86アーキテクチャになっている為、汎用パーツでの組み上げではPCとの差別化が出来ません。

今回のSIEの発表により、PS5がPCとは異なり、ゲームにリアリティを与え、イマーシブゲームともいえる環境を作り出す為に特化したマシンという事が良く分かりました。

非常にわくわくする解説だったと思います。

■プレスリリース(PS Blog)
https://www.jp.playstation.com/blog/detail/9451/20200319-ps5.html




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鷲獅子のXPERIA

おはようざいます。
訪問&nice!ありがとうございます。
早くもPS5期待されてますね♪
by 鷲獅子のXPERIA (2020-03-24 06:39) 

そぬす

鷲獅子のXPERIAさん

コメント&nice!ありがとうございます。

PS5楽しみでしかたありません笑
by そぬす (2020-03-26 21:15) 

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