SONY、国内でもX1プロセッサ搭載Crystal Display2モデル発売 [企業向け製品/医療用機器]
SONYは、微細なLED素子を使った業務用「Crystal LED」ディスプレイシステムのラインナップを拡充。
国内でも新たに、高コントラストなキャビネット「C」シリーズ2機種と、高輝度な「B」シリーズ2機種、およびX1プロセッサーを搭載したコントローラー『ZRCT-300』を今夏より発売開始すると発表しました。
構成により価格は異なりますが、1.26mmピッチサイズのキャビネット64枚で220型4Kを構築した場合の参考価格は、6,600万円前後となります。
●Crystal LEDディスプレイシステム
・キャビネットCシリーズ 『ZRD-C12A』(1.26mmピッチ)
・キャビネットCシリーズ 『ZRD-C15A』(1.58mmピッチ)
・キャビネットBシリーズ 『ZRD-B12A』(1.26mmピッチ)
・キャビネットBシリーズ 『ZRD-B15A』(1.58mmピッチ)
・コントローラー 『ZRCT-300』
↑キャビネットのCシリーズ(写真左上)、Bシリーズ(右上)、コントローラー『ZRCT-300』(中央)
Crystal LEDは、極めて微細なLED素子を敷き詰めたユニットを組み合わせ、サイズや縦横比を自由に構成できるスケーラブルなディスプレイシステムの総称。
大画面、高画質なディスプレイの構築が可能で、資生堂グローバルイノベーションセンターや三菱自動車のデザインセンター、本田技研の評価ルームなどの他、ソニーPCLや米国ソニーイノベーションスタジオでのバーチャルプロダクションセットや、Netflixロサンゼルスキャンパスにある編集ルーム等に採用されています。
今回発売する新シリーズは2017年より展開してきたCrystal LEDの第3世代モデル。新採用のLED素子や独自の表面処理・制御技術、信号処理技術等を用い、高コントラスト・高輝度な映像を実現した他、設置性・メンテナンス性も強化。
同社担当は「新シリーズは、建築家、空間デザイナー、映像作家などのクリエイターに、新たなレベルのクリエイティブな表現の場を提供できるものになっている」と説明しています。また「新しいLED素子を採用したことで低価格化を実現。既発モデルよりも求め易くなっているのもポイント」と話しています。
尚、既発のSONY製LED素子搭載ディスプレイユニット『ZRD-2』、およびディスプレイコントローラー『ZRCT-200』は、新シリーズ導入後も継続販売されるとの事。
↑資生堂グローバルイノベーションセンターの導入例
Cシリーズ、およびBシリーズのキャビネットともに、外部から調達したという新採用のマイクロLED素子を搭載。ピッチサイズ(LED素子と素子の間隔)の異なる2種「1.26mmピッチ」、「1.58mmピッチ」モデルをそれぞれ用意。
SONYではないLED素子を採用した理由については「近年、マイクロLED素子の研究・開発が急速に行なわれており、さまざまなLED素子を検討し、今回は我々が考える最適なものを選択した。最終的な画質は、素子だけで決まるものではない。デバイスのパフォーマンスを最大限に引き出すLED制御技術や信号処理技術によって、新モデルは競合他社よりも画質の優位性を出せると自信を持っている」としています。
C、Bシリーズの大きな違いは、フロント部分の加工。Cシリーズには、黒の表現が引き締まるディープブラックコーティングと呼ぶ表面処理を施す事で、1,000,000：1という高コントラスト(Contrast)を実現。「とくに明るい場所で、暗い部分の階調表現力が高まっている」としています。
Bシリーズは、SPE協力のもと開発したというモデル。外光の反射を抑える表面処理を行ない、広色域を維持しながら最大1,800cd/m2もの高輝度(Brightness)を実現しています。尚、従来機種は最大1,000cd/m2。
↑バーチャルプロダクションでの導入イメージ
新シリーズの開発に関し、設計担当者は「映像の決め手となる、黒の締まりや高精度な暗部階調性にこだわった」と説明。「一般的なLEDディスプレイでありがちな、コントラストの低さ、暗部の潰れや明部の飛びなどを感じさせない、そして今まで展示会やロビーで使われていたLEDディスプレイを、映像制作の現場でも使えるレベルに引き上げる事を目指し開発した」としています。
また、Bシリーズの開発背景について「現場からのヒアリングを重ねていくと、必ずしも黒にこだわるユーザーばかりでなく、黒の締まり以上に、明るさや反射しないモデルを求める声があった。例えばバーチャルプロダクションでは、演者の背景にLEDディスプレイがあると逆光になってしまい、演者に強いライトを当てることになる。そうするとそのライトがLEDディスプレイの表面で反射し、カメラにその反射光が写るというジレンマが起こる。そこで求められたのが、高い輝度、そして外光を反射しないBシリーズだった」としています。
SONYでは使用例として、高コントラストが強みのCシリーズの場合は、企業ロビーや会議室・デザインレビュー、ショールーム・博物館、そして高輝度で外光反射に影響を受けにくいBシリーズの場合は、バーチャルプロダクションや外光の多いエントランスなどへの設置例を挙げています。
ディスプレイの構成例としては、1.26mmピッチモデルの場合、キャビネット16枚で110型フルHD、64枚で220型4K、256枚で440型8Kのシステムが構築可能。また1.56mmモデルの場合は、25枚で137.5型フルHD、100枚で275型4K、400枚で550型8Kが設置出来るとしています。
↑企業ロビーの導入イメージ
↑エントランスの導入イメージ
新しいコントローラーには、これまでのCrystal LEDディスプレイシステムで培ったLED制御技術と、BRAVIAの信号処理技術を融合したという、新開発の高画質プロセッサー「X1 for Crystal LED」を搭載。
↑ディスプレイコントローラー「ZRCT-300」
同プロセッサーによる新機能として、データベースを使ったパターンマッチング処理で画像に応じた超解像処理を行なう「リアリティークリエーション」、大画面における撮像ボケを低減して滑らかな動きにするコマ補間「モーションフロー」に加え、豊かで滑らかな階調描写にするという「22ビットスーパービットマッピング」が追加されています。
設計担当者は「汎用LEDでは、8ビット、10ビット処理によりバンディングが発生しやすいが、新シリーズでは内部処理を22ビット化する事で、滑らかな階調を保ったまま出力できる。やはり10ビット・1024階調では、低階調域の細かい表現・わずかな階調差が表現し難い。そのわずかな階調差を表現するには、22ビットが必要だった」としています。
ユーザーからの意見をヒアリングし、開発にフィードバック・改良したという、柔軟な設置性と高いメンテナンス性も新シリーズのポイントとなります。
新キャビネットにより、バックヤードが不要となり、省スペースな設計が可能。壁掛け・カーブした壁面への湾曲設置も容易になったとの事(従来モデルでは壁掛け不可)。キャビネットはファンレス構造となり、静音性が向上。放熱設計にも優れ、予備の空調設備が不要。またフロントからアクセス可能になった事や、AC100～240V対応で、電源設備等の特種工事を行なう必要もないとしています。
↑ファンレス構造となった新キャビネットの背面
米SONYが先行して発表した際は見逃していましたが、内部処理22bitって凄いですね。X1プロセッサといいながらもアルゴリズムを引き継いだだけで、プロセッサの演算処理速度はBRAVIAのものと桁違いの様です。
こういうご時世なんでSONYも内覧会を行っておらず、実機が見れないのが残念ですが…。
■プレスリリース
臨場感あふれる高画質の大画面で空間をデザインする
直視型マイクロLEDディスプレイ 「Crystal LED」 2シリーズを発売
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/202101/21-009/
国内でも新たに、高コントラストなキャビネット「C」シリーズ2機種と、高輝度な「B」シリーズ2機種、およびX1プロセッサーを搭載したコントローラー『ZRCT-300』を今夏より発売開始すると発表しました。
構成により価格は異なりますが、1.26mmピッチサイズのキャビネット64枚で220型4Kを構築した場合の参考価格は、6,600万円前後となります。
●Crystal LEDディスプレイシステム
・キャビネットCシリーズ 『ZRD-C12A』(1.26mmピッチ)
・キャビネットCシリーズ 『ZRD-C15A』(1.58mmピッチ)
・キャビネットBシリーズ 『ZRD-B12A』(1.26mmピッチ)
・キャビネットBシリーズ 『ZRD-B15A』(1.58mmピッチ)
・コントローラー 『ZRCT-300』
↑キャビネットのCシリーズ(写真左上)、Bシリーズ(右上)、コントローラー『ZRCT-300』(中央)
Crystal LEDは、極めて微細なLED素子を敷き詰めたユニットを組み合わせ、サイズや縦横比を自由に構成できるスケーラブルなディスプレイシステムの総称。
大画面、高画質なディスプレイの構築が可能で、資生堂グローバルイノベーションセンターや三菱自動車のデザインセンター、本田技研の評価ルームなどの他、ソニーPCLや米国ソニーイノベーションスタジオでのバーチャルプロダクションセットや、Netflixロサンゼルスキャンパスにある編集ルーム等に採用されています。
今回発売する新シリーズは2017年より展開してきたCrystal LEDの第3世代モデル。新採用のLED素子や独自の表面処理・制御技術、信号処理技術等を用い、高コントラスト・高輝度な映像を実現した他、設置性・メンテナンス性も強化。
同社担当は「新シリーズは、建築家、空間デザイナー、映像作家などのクリエイターに、新たなレベルのクリエイティブな表現の場を提供できるものになっている」と説明しています。また「新しいLED素子を採用したことで低価格化を実現。既発モデルよりも求め易くなっているのもポイント」と話しています。
尚、既発のSONY製LED素子搭載ディスプレイユニット『ZRD-2』、およびディスプレイコントローラー『ZRCT-200』は、新シリーズ導入後も継続販売されるとの事。
↑資生堂グローバルイノベーションセンターの導入例
Cシリーズ、およびBシリーズのキャビネットともに、外部から調達したという新採用のマイクロLED素子を搭載。ピッチサイズ(LED素子と素子の間隔)の異なる2種「1.26mmピッチ」、「1.58mmピッチ」モデルをそれぞれ用意。
SONYではないLED素子を採用した理由については「近年、マイクロLED素子の研究・開発が急速に行なわれており、さまざまなLED素子を検討し、今回は我々が考える最適なものを選択した。最終的な画質は、素子だけで決まるものではない。デバイスのパフォーマンスを最大限に引き出すLED制御技術や信号処理技術によって、新モデルは競合他社よりも画質の優位性を出せると自信を持っている」としています。
C、Bシリーズの大きな違いは、フロント部分の加工。Cシリーズには、黒の表現が引き締まるディープブラックコーティングと呼ぶ表面処理を施す事で、1,000,000：1という高コントラスト(Contrast)を実現。「とくに明るい場所で、暗い部分の階調表現力が高まっている」としています。
Bシリーズは、SPE協力のもと開発したというモデル。外光の反射を抑える表面処理を行ない、広色域を維持しながら最大1,800cd/m2もの高輝度(Brightness)を実現しています。尚、従来機種は最大1,000cd/m2。
↑バーチャルプロダクションでの導入イメージ
新シリーズの開発に関し、設計担当者は「映像の決め手となる、黒の締まりや高精度な暗部階調性にこだわった」と説明。「一般的なLEDディスプレイでありがちな、コントラストの低さ、暗部の潰れや明部の飛びなどを感じさせない、そして今まで展示会やロビーで使われていたLEDディスプレイを、映像制作の現場でも使えるレベルに引き上げる事を目指し開発した」としています。
また、Bシリーズの開発背景について「現場からのヒアリングを重ねていくと、必ずしも黒にこだわるユーザーばかりでなく、黒の締まり以上に、明るさや反射しないモデルを求める声があった。例えばバーチャルプロダクションでは、演者の背景にLEDディスプレイがあると逆光になってしまい、演者に強いライトを当てることになる。そうするとそのライトがLEDディスプレイの表面で反射し、カメラにその反射光が写るというジレンマが起こる。そこで求められたのが、高い輝度、そして外光を反射しないBシリーズだった」としています。
SONYでは使用例として、高コントラストが強みのCシリーズの場合は、企業ロビーや会議室・デザインレビュー、ショールーム・博物館、そして高輝度で外光反射に影響を受けにくいBシリーズの場合は、バーチャルプロダクションや外光の多いエントランスなどへの設置例を挙げています。
ディスプレイの構成例としては、1.26mmピッチモデルの場合、キャビネット16枚で110型フルHD、64枚で220型4K、256枚で440型8Kのシステムが構築可能。また1.56mmモデルの場合は、25枚で137.5型フルHD、100枚で275型4K、400枚で550型8Kが設置出来るとしています。
↑企業ロビーの導入イメージ
↑エントランスの導入イメージ
新しいコントローラーには、これまでのCrystal LEDディスプレイシステムで培ったLED制御技術と、BRAVIAの信号処理技術を融合したという、新開発の高画質プロセッサー「X1 for Crystal LED」を搭載。
↑ディスプレイコントローラー「ZRCT-300」
同プロセッサーによる新機能として、データベースを使ったパターンマッチング処理で画像に応じた超解像処理を行なう「リアリティークリエーション」、大画面における撮像ボケを低減して滑らかな動きにするコマ補間「モーションフロー」に加え、豊かで滑らかな階調描写にするという「22ビットスーパービットマッピング」が追加されています。
設計担当者は「汎用LEDでは、8ビット、10ビット処理によりバンディングが発生しやすいが、新シリーズでは内部処理を22ビット化する事で、滑らかな階調を保ったまま出力できる。やはり10ビット・1024階調では、低階調域の細かい表現・わずかな階調差が表現し難い。そのわずかな階調差を表現するには、22ビットが必要だった」としています。
ユーザーからの意見をヒアリングし、開発にフィードバック・改良したという、柔軟な設置性と高いメンテナンス性も新シリーズのポイントとなります。
新キャビネットにより、バックヤードが不要となり、省スペースな設計が可能。壁掛け・カーブした壁面への湾曲設置も容易になったとの事(従来モデルでは壁掛け不可)。キャビネットはファンレス構造となり、静音性が向上。放熱設計にも優れ、予備の空調設備が不要。またフロントからアクセス可能になった事や、AC100～240V対応で、電源設備等の特種工事を行なう必要もないとしています。
↑ファンレス構造となった新キャビネットの背面
米SONYが先行して発表した際は見逃していましたが、内部処理22bitって凄いですね。X1プロセッサといいながらもアルゴリズムを引き継いだだけで、プロセッサの演算処理速度はBRAVIAのものと桁違いの様です。
こういうご時世なんでSONYも内覧会を行っておらず、実機が見れないのが残念ですが…。
■プレスリリース
臨場感あふれる高画質の大画面で空間をデザインする
直視型マイクロLEDディスプレイ 「Crystal LED」 2シリーズを発売
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/202101/21-009/
2021-01-27 16:42
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