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SPT、子供向け米アニメプロダクション、Silvergateを買収 [その他]

米Sony Pictures Televisionは米国時間の10日、独立系メディア企業Silvergate Mediaを、Silvergateの経営陣と投資会社Shamrock Capitalから買収すると発表しました。

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買収の対価は約195百万米ドル(約213億円/1ドル109円換算)。

Silvergateは、ロンドンとニューヨークにオフィスを持ち、子ども向けアニメーションの開発・制作とライセンスの提供を行なっています。2011年10月に未就学児童向けの2つのコンテンツの権利を取得して設立され、過去数年にわたり、子ども向けのIPを大幅に拡大。

中国でのビジネスに強く、中国の大手企業と協力しIPを効果的に収益化しているとの事です。

買収後も、SilvergateのCEOは、引き続きワヒード・アリ氏、会長はウィリアム・アスター氏が務めます。

SPEは、今回の買収によりSilvergate Topco Limitedの100%の持分を取得。Silvergate Topco Limitedの資産には、アニメーション「Octonauts」(日本語版は「すすめ! オクトノーツ」)の権利を保有し北京に拠点を置くWanda Groupとの合弁会社に対するSilvergateの49%の持分が含まれています。

SPEは、Silvergateの「ピーターラビット」テレビシリーズを制作するSilvergate BP Bidco Limited の少数持分も取得。残りの過半数の持分についてはワヒード・アリ氏が引き続き保有するとの事。

Sony Pictures Animationは、アニメーションのテレビシリーズにも事業を拡大することを発表しており、SPTも事業の多様化と重要なジャンルの強化を戦略とし、今回の買収もその一環と位置付けています。

SPTのマイク・ホプキンス会長は、「価値のある子ども向けコンテンツのIPを獲得し、私たちの事業領域を拡大できることを嬉しく思います。Silvergateは、子ども向けコンテンツの事業を拡大するうえで、強力な基盤となります」とコメントしています。

Silvergateで現在制作中の作品は、「Octonauts」の新作3本(70分映画2本、44分のミュージカル)、「Hilda」のシーズン2と70分映画、新番組「Made By Maddie」のシーズン1、「Sunny Day」のシーズン2、新番組「Monkey with a Toolbelt」のシーズン1、Netflixおよび新Disneyシリーズ向けの新番組「Creature Cases」となります。

先日、SMEがビートルズグッズの北米での販売権を獲得した事をお伝えしましたが、SONYグループは、SPEグループ、SMEグループを筆頭にとんでも無い額で、映像・音楽コンテンツの獲得に動いています。

今年11月にはテレビ番組を作る米ゲーム・ショー・ネットワーク(GSN)を完全子会社化。グループで58%の株式を保有していましたが、米AT&Tが保有する残りの持ち分を3.8億ドル(約410億円)で取得。1994年開局のGSNはクイズ番組に強く、ゲームや映画事業での相乗効果を狙っているとの事。

2018年には「クイーン」などの著作権を持つ米EMIミュージックパブリッシングを約2900億円で買収する等、SONYはコンテンツなどIPの強化に動いています。

スマホのカメラなどに使う半導体センサーには18年度からの3年間で7000億円を投資する計画で、更なる上積みも検討しています。一方で、コンテンツ関連のM&Aも2年弱で4000億円にのぼっています。

コンテンツで稼ごうとする姿勢は会社のバランスシート(貸借対照表)にも表れて来ています。IP等の無形固定資産や営業権(のれん)の合計は9月末で1.6兆円(連結ベース)で18年3月末から5割増えています。

専門家は、半導体センサーへの集中で業績が改善し、投資余力が高まって来た事が背景にあるとしています。19年3月期の連結営業利益は8942億円と2期連続で最高益を更新。本業で稼ぐ現金を示す営業キャッシュフローは1兆円超のプラスとなり、連結営業赤字だった12年3月期の2倍超の水準となっています。

SONYにとって映画や音楽はエレクトロニクス分野が低迷した苦しい時期に業績を下支えしてきた事業でもあります。20年3月期に映画と音楽の利益は合計で2100億円と全体(連結調整前)の2割強を稼ぐ見通しとなっています。

既に半導体やゲームと並ぶ収益源ですが、ヒット作の有無で大きくぶれる面も有る為、旧作を拡充し、配信収入等で安定的に稼げる事業を目指としています。

グループ全体のリスクヘッジとして再びコンテンツ事業に投資しているんでしょうが、89年のコロンビアピクチャー買収の48億ドルに匹敵する投資というのは凄いですね…。コロンビアの買収は、当時のバブル景気を背景にしていましたが、今の日本は決して好況とは言えませんから…。




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